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マテリアルへの質感の設定

  

マテリアルへ質感を設定する

マテリアルの作成と面への割り当てが完了しましたので、次は、マテリアルの質感の設定を行います。

マテリアルの選択方法

マテリアルの設定を変更するためには、まずは対象とするマテリアルを選択しなければなりません。 しかし、メッシュやランプやカメラのようなオブジェクトとは異なり、マテリアルは3D Viewウィンドウでは選択することはできません

マテリアルを選択するには、そのマテリアルが割り当てられているメッシュのオブジェクトを選択します。 オブジェクトを選択すると、そのメッシュのオブジェクトに割り当てられているマテリアルも選択されます

  
メッシュに複数のマテリアルが割り当てられている場合は、オブジェクト選択後にマテリアルスロットの一覧から対象のマテリアルを選択する必要があります。
  

マテリアルの設定

"Wings"と"Head"および"Legs"のマテリアルの設定を変更します。 モードは、オブジェクトモードでもエディットモードでも構いませんが、ここではオブジェクトモードで作業を行います

エディットモードからオブジェクトモードへ切り替えてください。 キーボードのTABキーを押します(または3D Viewウィンドウのモード選択リスト(モード選択リスト)のObject Mode(オブジェクトモード)を選択します)。

Wings用のマテリアルの質感を設定

まずは、Wings用のマテリアルの質感を設定します。 具体的には、拡散反射色、拡散反射量、鏡面反射色、鏡面反射量、鏡面反射硬度を以下のように設定します。

マテリアル名称 Wings
拡散反射色 赤色
拡散反射量 90%
鏡面反射色 白色
鏡面反射量 50%
鏡面反射硬度 25%

各設定項目の意味は以下の通りです。

拡散反射色

『拡散反射色』と表現すると難解ですが、わかりやすく言えば、物体の基本色です。 赤色の物体を表現したければ赤色を、青色の物体を表現したければ青色を指定します。

例えば、あなたが赤色のボディの車を所有しているとします。 その車を描く場合は、ボディの拡散反射色は赤色を指定します。

拡散反射量

拡散反射色の強さを指定します。 『強さ』とは発色の度合いのことです。

この項目にゼロが指定されると、どんな拡散反射色でも物体は黒色で描かれます。 この項目に最大値が指定されると、拡散反射色が完全に再現されます。

光を吸収する物体を表現する場合は数値を下げればよいでしょう。

鏡面反射色

光の反射を表す色を指定します。 現実の世界では、太陽や蛍光灯からの光がカメラの方向に反射すると、その部分は明るく見えます。 その明るい部分の色、つまりハイライト色を指定します。

通常、鏡面反射色には白色を指定することになるでしょう。

鏡面反射量

鏡面反射色の強さを指定します。 『強さ』とは反射の度合いのことです。

この項目にゼロが指定されると、光の反射は描かれません。 この項目に最大値が指定される鏡面反射色が完全に再現されます。

光を吸収する物体を表現する場合は数値を下げればよいでしょう。

鏡面反射硬度

『鏡面反射硬度』となっていますが、実際には表面のなめらかさのことです。

表面がなめらかな物体は、反射光がくっきりと小さく見えます。 逆に表面がザラザラしていれば、反射光はぼやけて大きく見えます。

表面がなめらかな物体を表現する場合は数値を上げます。

拡散反射
拡散反射

鏡面反射
鏡面反射

では、マテリアルの設定を行います。

1. てんとう虫の体を選択
1. てんとう虫の体を選択

上図のようにてんとう虫の体を選択し、Propertiesウィンドウのマテリアルパネル切替ボタン(マテリアルパネル切替ボタン)を押します。

続いて、マテリアルを選択します。

2. Wings用のマテリアルを選択
2. Wings用のマテリアルを選択

上図のようにマテリアルスロットの一覧から"Wings"という表示のマテリアルスロット(マテリアルスロット)を選択します。

DiffuseパネルとSpecularパネル
DiffuseパネルとSpecularパネル

まずは、拡散反射色、鏡面反射色を設定します。 これらは、DiffuseパネルとSpecularパネル(上図)で設定を行います。

拡散反射色はDiffuseパネルにあるカラーフィールド(拡散反射色カラーフィールド)で、鏡面反射色はSpecularパネルにあるカラーフィールド(鏡面反射色カラーフィールド)でそれぞれ色を指定することができます。

それぞれ現在の色が表示されており、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押すとカラーピッカーが開きます

カラーピッカー

カラーピッカー
カラーピッカー

カラーピッカーでは色を指定する方法は1つではなく、様々な方法で色を選択することができます

まず1つ目は、色合いと明るさで色を指定する方法です。 カラーサークルから色合いを選び、続いて隣のバーで明るさを選びます。

2つ目が、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの要素の強さを指定する方法です。 [RGB]ボタン([RGB]ボタン)をオンにし、R(R)、G(G)、B(B)で設定します。 各スライダは0.0から1.0までの範囲の値を持つことができます。

3つ目が、色相(H)、彩度(S)、明度(V)のそれぞれの要素の強さを指定する方法です。 [HSV]ボタン([HSV]ボタン)をオンにし、H(H)、S(S)、V(V)で設定します。 各スライダは0.0から1.0までの範囲の値を持つことができます。

4つ目が、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの要素の強さを16進数で指定する方法です。 [Hex]ボタン([Hex]ボタン)をオンにし、Hex入力欄(Hex入力欄)で設定します。

実際の色の指定

では、実際に色を指定します。 鏡面反射色は、すでに白色が設定されているため設定を変更する必要はありません。 従って、ここでは拡散反射色を赤色に設定するのみです

拡散反射色はDiffuseパネルにあるカラーフィールド(拡散反射色カラーフィールド)からカラーピッカーを開き、R(R)を1.0(右端)に、G(G)とB(B)を0.0(左端)に設定します。

  
なお、バーのスライドではなく、数値の部分を押して入力状態に切り替え、直接入力を行うこともできます。
3. 拡散反射色を赤色に設定
3. 拡散反射色を赤色に設定

上図のように拡散反射色を赤色に設定します。

4. Wings用のマテリアルに赤色を設定したてんとう虫
4. Wings用のマテリアルに赤色を設定したてんとう虫

上図のようにてんとう虫の体が赤色に変化します。 また、Previewパネルの球体の色も同調します。 なお、Previewパネルの球体は、現在のマテリアル設定でどのような質感が得られるかを確認するためのものです

拡散反射量と鏡面反射量と鏡面反射硬度の設定

続いて、拡散反射量、鏡面反射量、鏡面反射硬度を、それぞれ90%、50%、25%に変更します。 これらも、DiffuseパネルとSpecularパネルで設定を行います。

拡散反射量は、DiffuseパネルのIntensity(Intensity)で、鏡面反射量と鏡面反射硬度はSpecularパネルのIntensity(Intensity)とHardness(Hardness)で設定します。

DiffuseパネルのIntensity(Intensity)を0.9に(最大値が1.0なので)、SpecularパネルのIntensity(Intensity)を0.5に(最大値が1.0なので)、Hardness(Hardness)を127に(最大値が511なので)設定します。

5. Wings用のマテリアルに拡散反射や鏡面反射を設定したてんとう虫
5. Wings用のマテリアルに拡散反射や鏡面反射を設定したてんとう虫

上図のようにてんとう虫の体が光沢によって明るく変化します。

  
Specularパネルにある鏡面反射関係の設定項目は、反射による映り込みを表現するものではなく、単にハイライト(光沢)を描くだけです。 鏡や磨き込まれた金属のように周囲の景色を映し込むには、別の設定項目を使う必要があります。
  
反射による映り込みについては後ほど、レンダリング > Blender Renderでレンダリングしてみよう > 反射による周囲の映り込みを表現するで詳しく紹介します。

Head用のマテリアルとLegs用のマテリアルの質感を設定

次に、HeadとLegs用のマテリアルの質感を設定します。

マテリアル名称 HeadとLegs
拡散反射色
拡散反射量 50%
鏡面反射色 白色
鏡面反射量 10%
鏡面反射硬度 25%

まずは、Head用のマテリアルの質感を設定します。

6. てんとう虫の体を選択
6. てんとう虫の体を選択

上図のようにてんとう虫の体を選択し、Propertiesウィンドウのマテリアルパネル切替ボタン(マテリアルパネル切替ボタン)を押します。 続いて、マテリアルスロットの一覧から"Head"という表示のマテリアルスロット(マテリアルスロット)を選択します。

まずは、拡散反射色、鏡面反射色を設定します。 鏡面反射色は、すでに白色が設定されているため設定を変更する必要はありません。 従って、ここでは拡散反射色を黒に設定するのみです

拡散反射色はDiffuseパネルにあるカラーフィールド(拡散反射色カラーフィールド)からカラーピッカーを開き、R(R)とG(G)とB(B)を0.0(左端)に設定します。

7. Head用のマテリアルに黒を設定したてんとう虫
7. Head用のマテリアルに黒を設定したてんとう虫

上図のようにてんとう虫の頭部が黒に変化します。

続いて、拡散反射量、鏡面反射量、鏡面反射硬度を、それぞれ50%、10%、25%に変更します。

DiffuseパネルのIntensity(Intensity)を0.5に(最大値が1.0なので)、SpecularパネルのIntensity(Intensity)を0.1に(最大値が1.0なので)、Hardness(Hardness)を127に(最大値が511なので)設定します。

8. Head用のマテリアルに拡散反射や鏡面反射を設定したてんとう虫
8. Head用のマテリアルに拡散反射や鏡面反射を設定したてんとう虫

上図のようにてんとう虫の頭部が暗く変化します。

続いて、Legs用のマテリアルの質感を設定しますが、Legs用のマテリアルの質感設定は、Head用のマテリアルと全く同じです。 Head用のマテリアルの質感設定と同じ作業を再度実施するというのも美しくありません

そこで、すでに設定を実施したHead用のマテリアルの設定をコピー&ペーストしてLegs用のマテリアルにも同様の質感を設定します。

マテリアルの設定のコピー&ペースト

現在、Head用のマテリアルが編集対象になっていますので、このままの状態で、マテリアルスロットの一覧の右にある、マテリアルスペシャルメニューボタン(マテリアルスペシャルメニューボタン)を押します。

9. マテリアルスペシャルメニュー
9. マテリアルスペシャルメニュー

上図のようにメニューが表示されますので、"Copy Material"を実行します。 これでHead用のマテリアルの設定が記憶領域に複写されました。

次に、複写されたマテリアル設定をてんとう虫の脚に貼り付けます。

10. てんとう虫の脚を選択
10. てんとう虫の脚を選択

上図のようにてんとう虫の脚を選択し、マテリアルスロットの一覧の右にある、マテリアルスペシャルメニューボタン(マテリアルスペシャルメニューボタン)を押します。

11. マテリアルスペシャルメニュー
11. マテリアルスペシャルメニュー

上図のようにメニューが表示されますので、"Paste Material"を実行します。

12. Legs用のマテリアルに拡散反射や鏡面反射を設定したてんとう虫
12. Legs用のマテリアルに拡散反射や鏡面反射を設定したてんとう虫

上図のようにてんとう虫の脚にも頭部と同じ質感が設定されます。

  

まとめ

マテリアルを選択するには、そのマテリアルが割り当てられているメッシュのオブジェクトを選択します。 オブジェクトを選択すると、そのオブジェクトのメッシュに割り当てられているマテリアルも選択されます。

なお、メッシュに複数のマテリアルが割り当てられている場合は、編集対象とするマテリアルがセットされているマテリアルスロットをマテリアルスロットの一覧から選択することで、そのマテリアルが選択された状態になります。

拡散反射色はDiffuseパネルにあるカラーフィールド(拡散反射色カラーフィールド)で、鏡面反射色はSpecularパネルにあるカラーフィールド(鏡面反射色カラーフィールド)でそれぞれ色を指定することができます。

拡散反射量は、DiffuseパネルのIntensity(Intensity)で、鏡面反射量と鏡面反射硬度はSpecularパネルのIntensity(Intensity)とHardness(Hardness)で設定します。

 
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