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体のモデリング(オブジェクトモード)

  

体のモデリング

まずは、体をモデリングします。 立方体を加工して体の形状を作り上げていきます。

起動時に自動的に作成された立方体がありますが、この立方体は削除し、新たに立方体を作成します。 なお、自動的に作成された立方体を削除し、新たに作成するという手順で作業するのは、オブジェクトの削除と新規作成の操作を説明するためです。

座標系について

モデリングの作業に入る前に、座標系について説明しておきます。 モデリングを行う上で知っておきべき重要な要素です

Blenderでは、仮想的な3D世界に物体を配置することで3DCGを制作します。 つまり、物体は、3次元の位置情報を持つことになります

3次元の位置情報は、X軸、Y軸、Z軸での座標で表現されますが、Blenderでは軸方向の基準は1つではありません

様々な座標系画像を拡大する
様々な座標系

上図のようにBlenderには、グローバル座標系(Global)、ローカル座標系(Local)、法線座標系(Normal)、ジンバル座標系(Gimbal)、視点座標系(View)の座標系があり、それぞれ軸方向が異なります。

  
5種類もの座標系が用意されているのは、物体を移動させたり変形させる際に、状況に応じて様々な軸で操作を行う必要があるためです。

グローバル座標系(Global)

グローバル座標系(Global)は、仮想世界の絶対的な座標系です。 グローバル座標系は全てのオブジェクトに対して共通の座標系になります。

グローバル座標系(Global)
グローバル座標系(Global)

上図のように選択中の立方体の移動マニピュレータの軸は、グリッドに描かれている赤/緑/青の軸線や3D Viewウィンドウの左下に描かれる座標軸アイコンの軸と完全に一致します

ローカル座標系(Local)

ローカル座標系(Local)は、それぞれのオブジェクトが独自に持っている座標系です。 オブジェクトを作成した時点では、そのオブジェクトのローカル座標系はグローバル座標系と完全に一致しています

しかし、オブジェクトを回転させると、連動してローカル座標系も回転します。 そうなると、ローカル座標系はグローバル座標系とは一致しなくなります。

ローカル座標系(Local)
ローカル座標系(Local)

上図のように選択中の立方体の移動マニピュレータの軸は、グリッドに描かれている赤/緑/青の軸線や3D Viewウィンドウの左下に描かれる座標軸アイコンの軸とずれがありますずれの原因はオブジェクトを作成後に回転させたことにあり、ずれの量はオブジェクトの回転量と一致します

法線座標系(Normal)

法線座標系(Normal)は、法線と連動する座標系です。 法線とはメッシュの面から垂直に伸びている仮想的な線です

つまり、法線座標系は、メッシュの面の数だけ存在することになります。

法線座標系(Normal)
法線座標系(Normal)

上図のように選択中の立方体の移動マニピュレータのZ軸(青)は、選択中の面から垂直に伸びています(左側)。 なお、複数の面が選択されている場合は中間方向を指します(右側)。

ジンバル座標系(Gimbal)

調査中です。

ジンバル座標系(Gimbal)
ジンバル座標系(Gimbal)

3軸が直行していないことから、オイラー角で回転量を表しているのではないかと思いますが、詳しいことはわかりません。

視点座標系(View)

視点座標系(View)は、3D Viewウィンドウの視点と連動する座標系で、視点の方向が変わると連動して視点座標系の方向も変わります。

つまり、3D Viewウィンドウ上に描かれるマニピュレータは、視点をどの方向へ向けても、いつも同じ方向で描かれるということです。

視点座標系(View)
視点座標系(View)

上図のように選択中の立方体の移動マニピュレータのZ軸(青)は、視点の方向と一致します。 また、移動マニピュレータのX軸(赤)とY軸(緑)は、それぞれ視点から見て右方向と上方向を指しています。

立方体の削除と作成

では、モデリングの作業を始めましょう。 キーボードのテンキーの1を押し、正面図の位置に視点を移動します(マウスカーソルが3D Viewウィンドウ上にあること)。 もし、投影方法が透視投影になっている場合は、キーボードのテンキーの5を押して平行投影に切り替えます

  
3D Viewウィンドウの左上に "Front Ortho" と表示されていれば平行投影になっています。
  
透視投影の場合は "Front Persp" と表示されます。

さらに、現在の表示倍率ではメッシュの表示が小さすぎて作業しにくいので、キーボードのテンキーの+(プラス)を3回押してズームインします

次に、モードを確認します。 3D Viewウィンドウのモード選択リスト(モード選択リスト)がObject Mode(オブジェクトモード)になっているかを確認し、なっていなければオブジェクトモードに切り替えます。

オブジェクトモードへの切り替え
オブジェクトモードへの切り替え

上図のようにオブジェクトモードになっていることを確認します。

  
オブジェクトモードというのは、オブジェクト単位で編集を行うためのモードです。
  
一方、オブジェクトのメッシュを構成する頂点や辺および面の単位で編集を行うためのモードをエディットモードといいます。
  
立方体でいえば、立方体そのものを移動したり削除するのがオブジェクトモードで、一部の頂点や辺および面のみを対象に編集するのがエディットモードです。
  
ここでは立方体そのものを削除するため、オブジェクトモードで作業する必要があります。
モード 解説
オブジェクトモード オブジェクト単位で編集する
エディットモード オブジェクトのメッシュの一部の頂点や辺および面を編集する

立方体の削除

マウスカーソルを立方体に乗せ、マウスの右ボタン(マウスの右ボタン)を押します。 立方体が選択状態になり、オレンジ色の枠で囲まれます。

1. 立方体の削除前
1. 立方体の削除前

上図のように立方体を選択したことを確認し、キーボードのX(またはDeleteキー)を押します。 "OK?"というタイトルのメニューが表示されますので、"Delete"を実行します(またはキーボードのEnterキーを押します)。

2. 立方体の削除後
2. 立方体の削除後

上図のように立方体が削除されます。

立方体の作成

次に新しい立方体を追加します。 キーボードのSHIFT+Aを押します

3. Addメニュー
3. Addメニュー

上図のように"Add"というタイトルのメニューが表示されますので、"Mesh" -> "Cube"を実行して立方体を追加します。

  
3D Viewウィンドウのプルダウンメニューの"Add" -> "Mesh" -> "Cube"を実行することでも立方体を追加することができます。

なお、Cubeのようにあらかじめ用意されている基本図形をプリミティブといい、以下のような種類があります。

プリミティブ 説明
Plane 平面
Cube 立方体
Circle
UV Sphere 球体
Ico Sphere 球体(三角形の面で構成)
Cylinder 円柱
Cone 円錐
Torus ドーナツ
Grid 格子
Monkey
  
余談ですが、プリミティブの猿にはスザンヌという名前が付けられており、Blenderのマスコット的な存在になっています。
4. 立方体の作成後
4. 立方体の作成後

上図のように新しい立方体が3Dカーソルの位置に作成され、かつ、選択された状態になります。

3Dカーソルが座標中心からずれている場合は、立方体は座標中心には作成されません。 その場合は、今作成した立方体を削除し、さらに、3Dカーソルを座標中心に戻してから、立方体を再度作成します

3Dカーソルは、3D Viewウィンドウのプルダウンメニューの"Object" -> "Snap" -> "Cursor to Center"を実行することで座標中心(X=0.0、Y=0.0、Z=0.0)に戻すことができます。

  
キーボードのSHIFT+S -> "Cursor to Center"を実行することでも3Dカーソルを座標中心(X=0.0、Y=0.0、Z=0.0)に戻すことができます。
  
3Dカーソルは、3D Viewウィンドウでマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押すことでその位置に設定されます。 一般的なWindowsソフトウェアはマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)で選択するため、ついマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押したくなりますが、そうすると3Dカーソルが移動してしまいます。
  

立方体の位置を調整

体の元となる立方体は、座標中心(X=0.0、Y=0.0、Z=0.0)に位置しています。 Z=0.0の面(赤線)を地面と考えると、立方体は下半分が地面に埋まっている状態です。

1. 移動前の立方体
1. 移動前の立方体

上図のように(地面のように見える)X軸の線(赤)に立方体の中心が位置していますので、立方体を上方向に移動させX軸の線(赤)に立方体の底面が重なるように調整します。

立方体の中心に移動マニピュレータが表示されていない場合は、マニピュレータ使用ボタン(マニピュレータ使用ボタン)をオンにし、さらに、移動マニピュレータボタン(移動マニピュレータボタン)を押して移動マニピュレータに切り替えます。

2. マニピュレータ使用ボタンと移動マニピュレータボタンの場所
2. マニピュレータ使用ボタンと移動マニピュレータボタンの場所

上図のように移動マニピュレータを有効にします。

続いて、移動マニピュレータを使って立方体の移動を行いますが、まだ、作業は行わないてください。 まずは、マニピュレータの操作方法を説明します。

マニピュレータの赤ハンドル(赤ハンドル)はX軸に対応しています。 同様に、緑ハンドル(緑ハンドル)はY軸に、青ハンドル(青ハンドル)はZ軸に対応します。 今回はZ軸に沿っての移動を行いますので、使用するハンドルは青ハンドル(青ハンドル)です。

まだ操作は行わないてください。 説明しておきたいことが、まだ2点ほどあります。

説明しておきたいことの1つ目は、マニピュレータの操作中に表示される操作量についてです。 マニピュレータの操作中は、3D Viewウィンドウのヘッダに操作量が表示されます。

3. ヘッダに表示される操作量
3. ヘッダに表示される操作量

上図のようにマニピュレータの操作中はヘッダの各項目が非表示となり、代わりに操作量が数値で表示されます。 移動マニピュレータであれば移動量が表示され、拡大縮小マニピュレータであれば拡大縮小率、回転マニピュレータであれば回転角度が表示されます。

説明しておきたいことの2つ目は、移動単位の調整についてです。 マニピュレータのハンドルのドラッグ中にキーボードのCTRLキーを押すと、オブジェクトがグリッド単位で移動します。 これにより、X軸の線(赤)に正確に底面を合わせることができます。

では、実際に移動してみましょう。 移動マニピュレータの青ハンドル(青ハンドル)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)で上方向にドラッグします。 正確に移動できるように、キーボードのCTRLキーを押しながらドラッグし、3D Viewウィンドウのヘッダに表示される移動量が 1.0 になっていることを確認したら、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を離します。

  
キーボードのCTRLキーを押してもグリッド単位で移動しない場合は、スナップボタン(スナップボタン)がオフになっているかどうかを確認します。 スナップボタン(スナップボタン)がオンの場合は、キーボードのCTRLキーを押しての移動はスナップでの移動となり、グリッド単位での移動にはなりません。
  
スナップとは吸い寄せ機能のことで、他のオブジェクトに近づくとそのオブジェクトに吸着する機能です。
4. 移動後の立方体
4. 移動後の立方体

上図のように立方体の底面をX軸の線(赤)に正確に合わせます。

  
今は使用しませんが、ドラッグ中にキーボードのSHIFTキーを押すことで、移動量が小さくなります(細かい調整ができます)。 また、キーボードのCTRLキーとSHIFTキーを同時に押すことでグリッドの1/10の単位で移動することができます。

編集の取り消しとキーボードでの移動

ここで、移動した立方体を元の位置に戻し、再度、移動します。 なお、この作業は、本来必要ではないのですが、編集の取り消しとキーボードでの移動の方法を説明するため、あえて元の位置に戻します。

では、キーボードのCTRL+Zを押してください。 キーボードのCTRL+Zを押すと、最後の編集作業が取り消され、1つ前の状態に戻ります。 今回の操作では、移動した立方体が元の位置に戻ります。

  
今は使用しませんが、キーボードのSHIFT+CTRL+Zを押すことで、取り消された編集作業が再実行されます(CTRL+Zとは逆に進みます)。
5. 移動前の立方体
5. 移動前の立方体

上図のように立方体が元の位置に戻ったことを確認し、再度、立方体を上方向に移動します。 先ほどは、移動マニピュレータで移動させましたが、今回はキーボードとマウスで移動します。

まずは、操作方法を説明しますので、まだ操作はしないでください

移動はキーボードのG(ジー)で開始します。 移動を開始すると、選択の枠がオレンジ色から白色に変わり、キーボードのカーソルキー()やマウスの移動で、オブジェクトを移動することができるようになります。 移動の確定はキーボードのEnterキーまたはマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)です

なお、マニピュレータでの移動と同様に、キーボードのCTRLキーを押すことでグリッド単位で移動させることができます。 同じく、キーボードのSHIFTキーを押すことで細かい移動が可能となります。

また、移動中にキーボードのX(またはYまたはZ)を押すことで移動方向を限定することができます。 例えば、移動中にキーボードのZを押すことで、移動方向をZ軸の方向のみに限定することができ、X軸やY軸の方向には移動できなくなります。 これにより、手ブレしやすいマウス操作でも正確に移動することができます。

なお、移動方向の限定を解除するには、キーボードのX(またはYまたはZ)をさらに2回押します。 なぜ、さらに2回も押す必要があるのかですが、軸方向の限定は複数の座標系に対応しているためです。

X Y Zの
押下回数
説明
1回 グローバル座標系の軸方向に限定する
2回 ローカル座標系の軸方向に限定する(座標系選択リストがGlobalまたはLocalの場合)
法線座標系の軸方向に限定する(座標系選択リストがNormalの場合)
ジンバル座標系の軸方向に限定する(座標系選択リストがGimbalの場合)
視点座標系の軸方向に限定する(座標系選択リストがViewの場合)
3回 移動方向の限定を解除する
  
今は使用しませんが、移動中にキーボードのSHIFT+X(またはYまたはZ)を押すことで移動方向をX軸(またはY軸またはZ軸)以外の方向に限定することができます。 例えば、移動中にキーボードのSHIFT+Zを押すことで、移動方向をX軸とY軸の方向のみに限定することができます(つまり、Z軸方向へ移動できなくなります)。

では、実際に操作を行いましょう。

立方体が選択されている状態で、キーボードのG(ジー)を押します。 立方体の枠がオレンジ色から白色に変わり、キーボードのカーソルキー()、もしくはマウスの移動で立方体を移動することができるようになります。

正確に移動できるように、キーボードのCTRLキーを押しながらマウスを動かし、3D Viewウィンドウのヘッダに表示されるZ軸方向の移動量が 1.0 になっていることを確認したら、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押して確定します(キーボードのEnterキーでも確定できます)。

6. 移動後の立方体
6. 移動後の立方体

上図のように(地面のように見える)X軸の線(赤)に立方体の底面が重なるように調整します。

次の記事へ

では、長くなりましたので、ここで一区切りします。 続きは次の記事を参照ください

  

まとめ

キーボードのXまたはDeleteキーで選択中のオブジェクトを削除することができます。

操作/コマンド 説明
XまたはDeleteキー オブジェクトを削除する

キーボードのG(ジー)で選択中のオブジェクトを移動することができます。

操作/コマンド 説明
G(ジー) オブジェクトを移動する

移動を開始すると、選択の枠がオレンジ色から白色に変わり、キーボードのカーソルキー()やマウスの移動で、オブジェクトを移動することができるようになります。 また、移動は、移動マニピュレータのハンドルのマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でのドラッグでも行うことができます。

その際に、キーボードのCTRLキーを押すことで、グリッド単位での移動が行えます。 また、キーボードのSHIFTキーを押すことで細かい操作が行えます。

操作/コマンド 説明
(移動中)
CTRLキー押下
グリッド単位での移動

Blenderには5つの座標系があります。

名称 説明
グローバル座標系 仮想世界の絶対的な座標系で、全てのオブジェクトに対して共通
ローカル座標系 それぞれのオブジェクトが持っている独自の座標系で、オブジェクトの回転方向と連動
法線座標系 メッシュの面と垂直な仮想的な線(法線)の方向と連動
ジンバル座標系 調査中
視点座標系 視点の方向と連動

移動の操作中は、キーボードのX(またはYまたはZ)を押すことで、移動の方向を限定することができます。 限定は、1回目の押下ではグローバル座標系、2回目の押下ではローカル座標系/法線座標系/ジンバル座標系/視点座標系(座標系選択リスト(座標系選択リスト)の選択肢による)となり、3回目が解除となります。

また、移動中にキーボードのSHIFT+X(またはYまたはZ)を押すことで移動方向をX軸(またはY軸またはZ軸)以外の方向に限定することができます。

  
次の記事で説明する回転・拡大縮小についても同様に、回転の軸・拡大縮小の方向を限定することができます。
操作/コマンド 説明
X 1回目:X軸に限定する(グローバル座標系)
2回目:X軸に限定する(ローカル座標系/法線座標系/ジンバル座標系/視点座標系)
3回目:限定を解除する
Y 1回目:Y軸に限定する(グローバル座標系)
2回目:Y軸に限定する(ローカル座標系/法線座標系/ジンバル座標系/視点座標系)
3回目:限定を解除する
Z 1回目:Z軸に限定する(グローバル座標系)
2回目:Z軸に限定する(ローカル座標系/法線座標系/ジンバル座標系/視点座標系)
3回目:限定を解除する
SHIFT+X 1回目:X軸以外に限定する(グローバル座標系)
2回目:X軸以外に限定する(ローカル座標系/法線座標系/ジンバル座標系/視点座標系)
3回目:限定を解除する
SHIFT+Y 1回目:Y軸以外に限定する(グローバル座標系)
2回目:Y軸以外に限定する(ローカル座標系/法線座標系/ジンバル座標系/視点座標系)
3回目:限定を解除する
SHIFT+Z 1回目:Z軸以外に限定する(グローバル座標系)
2回目:Z軸以外に限定する(ローカル座標系/法線座標系/ジンバル座標系/視点座標系)
3回目:限定を解除する
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