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アーマチュアによるアニメーション(その3)

  

アニメーションをつける(続き)

前の記事の『アーマチュアによるアニメーション(その2)』からの続きです。 前の記事でアーマチュアの作成が終わりました。

ここからは、アーマチュアのメッシュへの埋め込み、および動きをつける作業を行います。 以下のようにアーマチュアに動きをつけます。

フレーム数 動き
1フレーム目 直立姿勢
25フレーム目 お辞儀をした姿勢(最も頭が下がった位置)
50フレーム目 直立姿勢
60フレーム目 右手を上げた姿勢(斜め上)
70フレーム目 右手を上げた姿勢(真上)
80フレーム目 右手を上げた姿勢(斜め上)
90フレーム目 右手を上げた姿勢(真上)
100フレーム目 直立姿勢

アーマチュアをメッシュに埋め込む

次に、作成したアーマチュアをメッシュに埋め込みます。 正確に表現すれば、アーマチュアとクマの間にアーマチュア変形の親子関係を構築します。

3D Viewウィンドウのモード選択リスト(モード選択リスト)がObject Mode(オブジェクトモード)になっているかを確認し、なっていなければオブジェクトモードに切り替えます。

  
親子関係の構築はオブジェクトモードでなければ実施できません。

まずは、クマを選択します。

48. クマを選択する
48. クマを選択する

上図のようにクマを選択します。

続けて、アーマチュアを追加選択します

49. アーマチュアを追加選択する
49. アーマチュアを追加選択する

上図のようにアーマチュアを追加選択します。

クマとアーマチュアが選択されていることを確認し、キーボードのCTRL + Pを押します。

50. アーマチュア変形の親子関係を構築
50. アーマチュア変形の親子関係を構築

上図のように"Set Parent To"というタイトルのメニューが表示されますので、"Armature Deform" -> "With Automatic Weights"を実行します。

これで、クマはアーマチュアに影響されて変形するようになりました。

  
"With Automatic Weights"は、ボーンに対するメッシュの頂点の重みを自動的に行うという意味です。 つまり、ボーンを曲げた時の各頂点への影響度を自動的に計算するという意味です。

1フレーム目のキーフレームを登録する

では、1フレーム目のキーフレームを登録しましょう。 1フレーム目は、直立姿勢のボーンのキーフレームを登録します。

まず、フレームを選択します。 これから1フレーム目での作業を行いますので、対象フレームを1にする必要があります。

51. 対象フレームを1にする
51. 対象フレームを1にする

上図のように対象フレームを1にします。

続いて、キーフレームを登録しますが、ここで新たなモードが登場します。 その名も『ポーズモード』です。 名前の通り、ボーンの関節を曲げてポーズをつけるモードです。

では、ポーズモードに切り替えましょう。 まず、アーマチュアを選択します。 クマの選択は解除し、アーマチュアのみを選択してください

キーボードのCTRL + TABキーを押します(または3D Viewウィンドウのモード選択リスト(モード選択リスト)のPose Mode(ポーズモード)を選択します)。

52. ポーズモード
52. ポーズモード

上図のようにポーズモードに切り替わります。 ボーンが水色になっていますが、水色は選択されていることを表しています

  
ポーズモードでは水色が選択状態を表します。

1フレーム目はこの直立姿勢のままですので、この状態でキーフレームを登録します。

では、キーフレームを登録します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが1になっていること確認し、キーボードの I (アイ)を押します。

53. 1フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録
53. 1フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、1フレーム目にボーンの位置と回転とサイズのキーフレームが登録されました。

25フレーム目のキーフレームを登録する

続いて、25フレーム目のキーフレームを登録します。 25フレーム目は、お辞儀をした姿勢のボーンのキーフレームを登録します。

ただし、ボーンの曲げはまだ行わないでください。 現在は、1フレーム目が選択されていますので、まずは対象フレームを25にします

対象フレームを25に変更したら、視点を切り替えましょう。 キーボードのテンキーの6を3回押し、視点を正面図から右方向に45度移動します。

54. 視点を正面図から右方向に45度移動
54. 視点を正面図から右方向に45度移動

上図のように視点を正面図から右方向に45度移動します。

では、ボーンを曲げてお辞儀をした姿勢に変形させます。

55. 一番下の背骨のボーン(Spine_L)を選択
55. 一番下の背骨のボーン(Spine_L)を選択

上図のように"Spine_L"ボーンを選択します。

続いて、回転を行います。 回転マニピュレータボタン(回転マニピュレータボタン)を押して回転マニピュレータに切り替え、赤ハンドル(赤ハンドル)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

56. 回転後のボーン
56. 回転後のボーン

上図のように15度回転します。

同様の手順で、"Spine_M"ボーン、"Spine_U"ボーン、"Head"ボーンも15度回転してください。

57. 回転後のボーン
57. 回転後のボーン

上図のようにお辞儀しているポーズになっているはずです。

では、キーフレームを登録します。 まずは、全てのボーンを選択します。

58. 全てのボーンを選択
58. 全てのボーンを選択

上図のように全てのボーンが選択され、対象フレームが25になっていること確認し、キーボードの I (アイ)を押します。

59. 25フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録
59. 25フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、25フレーム目にもボーンの位置と回転とサイズのキーフレームが登録されました。

50フレーム目のキーフレームを登録する

続いて、50フレーム目のキーフレームを登録します。 50フレーム目は、直立姿勢です。

まずは、対象フレームを50に変更します

続いて、姿勢を直立姿勢に戻します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが50になっていること確認し、キーボードのALT + Rを押します。

60. ボーンのポーズが元に戻る
60. ボーンのポーズが元に戻る

上図のようにボーンのポーズが元に戻ります。

  
ALT + Rで回転をクリアする(無かったことにする)ことができます。 同様に、ALT + Gで移動を、ALT + Sで拡大縮小をクリアすることができます。

では、キーフレームを登録します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが50になっていること確認し、キーボードの I (アイ)を押します。

61. 50フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録
61. 50フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、50フレーム目にもボーンの位置と回転とサイズのキーフレームが登録されました。

60フレーム目のキーフレームを登録する

続いて、60フレーム目のキーフレームを登録します。 60フレーム目は、右手を上げた姿勢(斜め上)です。

まずは、対象フレームを60に変更します

対象フレームを60に変更したら、視点を切り替えましょう。 キーボードのテンキーの1を押して正面図の位置に視点を移動します。

62. 正面図から見たアーマチュア
62. 正面図から見たアーマチュア

上図のように正面図に視点を移動します。

では、ボーンを曲げて右手を上げた姿勢(斜め上)に変形させます。

63. 右手を上げた姿勢(斜め上)
63. 右手を上げた姿勢(斜め上)

上図のように右手を斜めに上げたポーズになるようボーンを曲げます。

では、キーフレームを登録します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが60になっていること確認し、キーボードの I (アイ)を押します。

64. 60フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録
64. 60フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、60フレーム目にもボーンの位置と回転とサイズのキーフレームが登録されました。

70フレーム目のキーフレームを登録する

続いて、70フレーム目のキーフレームを登録します。 70フレーム目は、右手を上げた姿勢(真上)です。

まずは、対象フレームを70に変更します

では、ボーンを曲げて右手を上げた姿勢(真上)に変形させます。

65. 右手を上げた姿勢(真上)
65. 右手を上げた姿勢(真上)

上図のように右手を真上に上げたポーズになるようボーンを曲げます(上図は背骨のボーンと頭のボーンも少し回転させて体を右に傾けています)。

では、キーフレームを登録します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが70になっていること確認し、キーボードの I (アイ)を押します。

66. 70フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録
66. 70フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、70フレーム目にもボーンの位置と回転とサイズのキーフレームが登録されました。

80フレーム目のキーフレームを登録する

続いて、80フレーム目のキーフレームを登録します。 80フレーム目は、右手を上げた姿勢(斜め上)です。

ただし、80フレーム目の作業は、今までの作業とはちょっとやり方が違います。 80フレーム目は60フレーム目と同じ姿勢であるため、60フレーム目の姿勢をコピーして貼り付けることにします

まずは、対象フレームを60に変更します

  
80ではなく60ですので注意してください。
67. 右手を上げた姿勢(斜め上)
67. 右手を上げた姿勢(斜め上)

上図のように右手を斜めに上げた姿勢に戻ります。

では、この姿勢をコピーしましょう。 キーボードのCTRL + Cを押します。 見た目には変化ありませんが、姿勢がコピーされています。

続いて、対象フレームを80に変更します

68. 右手を上げた姿勢(真上)
68. 右手を上げた姿勢(真上)

上図のように右手を真上に上げた姿勢に戻ります。 これはBlenderの自動的な補間によって70フレーム目と同じ姿勢になったためです

では、コピーした姿勢を貼り付けましょう。 キーボードのCTRL + Vを押します。

69. 右手を上げた姿勢(斜め上)
69. 右手を上げた姿勢(斜め上)

上図のように右手を斜めに上げた姿勢が貼り付けられます。

  
今は使用しませんが、キーボードのCTRL + SHIFT + Vを押すことで、左右反転させたボーンの形状を貼り付けることができます。

では、キーフレームを登録します。 全てのボーンが選択され、対象フレームが80になっていること確認し、キーボードの I (アイ)を押します。

70. 80フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録
70. 80フレーム目のボーンの位置・回転・サイズのキーフレームを登録

上図のように"Insert Keyframe Menu"というタイトルのメニューが表示されますので、"LocRotScale"を実行します。

これで、80フレーム目にもボーンの位置と回転とサイズのキーフレームが登録されました。

90フレーム目のキーフレームを登録する

続いて、90フレーム目のキーフレームを登録します。 90フレーム目は、70フレーム目と同じ右手を上げた姿勢(真上)です。

80フレーム目と同じ手順で、70フレーム目の姿勢をコピーして貼り付けてください

コピーしたらキーフレームの登録を忘れずに実施してください

100フレーム目のキーフレームを登録する

最後に、100フレーム目のキーフレームを登録します。 100フレーム目は、1フレーム目と同じ直立姿勢です。

90フレーム目と同じ手順で、1フレーム目の姿勢をコピーして貼り付けてください

コピーしたらキーフレームの登録を忘れずに実施してください

アニメーション出力

では、アニメーションを出力しましょう。 手順は、簡単なアニメーション3DCGの制作 > 変形しない簡単なアニメーションの制作 > マテリアル設定によるアニメーション - アニメーション出力 -と同様です。

制作例

以下は制作例です。 作業前に紹介したものと同じ映像です。

制作例 - アーマチュアによるアニメーション -
  

制作した動画を編集するには

制作した動画の一部をカットしたり、テロップを入れるなどの編集をする場合はAviUtlの利用が便利です。 AviUtlは、無料ながら軽快で拡張性の高い動画編集ソフトウェアです。

AviUtlの利用方法については、以下を参照ください。

『AviUtl入門』へ
  

まとめ

アーマチュアはポーズモードでポーズをつけることができます。

 
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