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体のモデリング(頭部)

  

頭部のモデリング

ここまでの加工で、てんとう虫の体にかなり近づけることができました。 次は、体から頭部を形作っていきます。

視点を移動する

現在の上面図の視点では、モデリング作業が難しいので少し視点を移動します。 キーボードのテンキーの2を3回押し、視点を上面図から下方向に移動します。

1. 視点移動後のメッシュ
1. 視点移動後のメッシュ

上図のように上面図から下方向に45度視点が移動します。 続いて、面選択モードボタン(面選択モードボタン)で面選択モードに切り替えます。

2. 2つの面を選択したメッシュ
2. 2つの面を選択したメッシュ

上図のように先端の2つの面を選択します。 前面選択ボタン(前面選択ボタン)をオンにすると、他の面で隠れている面は選択できなくなりますので作業しやすいと思います。

  

頭部を形作る

現在のてんとう虫の体は、つぶれた半球に近い形状となっていますが、この半球部分は羽根の部位とします。 つまり、頭部がありませんので、体をさらに加工して頭部を作ります。 ここでは押し出しの機能を使います。

押し出し

押し出しとは、選択している部分を文字通り押し出す機能です。 既存の面を押し出して、新たな領域を作成することができます。

  
押し出しは頂点や辺でも使用することができます。

では、選択中の2つの面を押し出します。 キーボードのEを押します。

3. 押し出し中のメッシュ
3. 押し出し中のメッシュ

上図のように紫色の線が表示され、キーボードのカーソルキー(↑↓←→)、もしくはマウスの移動で、押し出した面を移動することができるようになります。 紫色の線は移動できる軸方向を表しており、この軸方向にしか移動できないように限定状態になっています

  
紫色の線は、面の法線の方向(今回は2つの面が選択されているので2本の法線の中間)と同じになっています(法線とは、面と垂直な仮想的な線です)。
  
押し出しには"Individual"と"Region"があります。 Individual押し出しでは、面のそれぞれが、それぞれの法線方向に押し出されます。 Region押し出しでは、面は1つの領域として中間の法線方向に押し出されます。 今回実施したキーボードのEでの押し出しはRegion押し出しです。
  
今は使用しませんが、移動中にキーボードのX(またはYまたはZ)、またはキーボードのSHIFT + X(またはYまたはZ)を押すことで、移動方向を限定することができます。
4. 押し出し後のメッシュ
4. 押し出し後のメッシュ

上図のように法線方向に1.0だけ押し出し、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押して確定します(キーボードのEnterキーでも確定できます)。

せっかく押し出しを実施しましたが、キーボードのCTRL + Zを押して変更を取り消してくださいなぜ元に戻すかというと、ミラーの反射面の頂点が反射面から離れているからです。 押し出しを行う前に、反射面にある頂点が反射面から離れないようにする必要があります。

PropertiesウィンドウのModifiersパネルに、さきほど追加したミラーのモディファイアの操作部があります。 その中にあるClippingチェックボックス(Clippingチェックボックス)をオンにして、反射面にある頂点の移動を禁止します。

5. 反射面にある頂点の移動を禁止する
5. 反射面にある頂点の移動を禁止する

上図のようにModifiersパネルのClippingチェックボックス(Clippingチェックボックス)をオンにします。

では、キーボードのEを押し、再度Region押し出しを実施します。

6. 押し出し後のメッシュ
6. 押し出し後のメッシュ

上図のように法線方向に1.0だけ押し出し、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押して確定します(キーボードのEnterキーでも確定できます)。 Clippingチェックボックス(Clippingチェックボックス)をオンにしたため反射面の頂点は離れていません。

押し出した面を縮小

次に、押し出した面の縮小の作業を行います。 大きさを比較しやすいように、キーボードのテンキーの1を押し、正面図の位置に視点を移動します。

次に選択中の面の中心が拡大縮小の中心位置になるよう設定を変更します。 3D Viewウィンドウの中心位置選択リスト(中心位置選択リスト)のMedian Pointを選択します。

  
中心位置選択リスト(中心位置選択リスト)でMedian Pointが選択されている場合は、選択中の部位の中間の位置が基点となります。
  
今回の例では、2つの面の中間の位置が基点となります。
7. 正面図でのメッシュ
7. 正面図でのメッシュ

上図のように拡大縮小マニピュレータが選択中の面の中心位置に移動したことを確認し、赤ハンドル(赤ハンドル)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

8. X方向に縮小後のメッシュ
8. X方向に縮小後のメッシュ

上図のように元の大きさの0.5倍に縮小します。

拡大縮小マニピュレータの青ハンドル(青ハンドル)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

9. Z方向に縮小後のメッシュ
9. Z方向に縮小後のメッシュ

上図のように元の大きさの0.6倍に縮小します。

さらに、押し出した面を下方向に移動します。 位置を確認しやすいように、キーボードのテンキーの3を押し、側面図(右側)の位置に視点を移動します。

移動マニピュレータボタン(移動マニピュレータボタン)を押して移動マニピュレータに切り替え、青ハンドル(青ハンドル)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

10. Z方向に縮小後のメッシュ
10. Z方向に縮小後のメッシュ

上図のように下方向に0.6だけ移動します。 なお、キーボードのCTRLキーとSHIFTキーを同時に押すことでグリッドの1/10の単位で移動することができます。

体と頭の境目に段差を作る

押し出しによって作成した部分は頭部となりますが、現状では体と頭の境目に段差がないため少し不自然です。 この章で制作するてんとう虫は、写実的なものではなくデフォルメした簡素な3DCGを目指しますので、あまり細部にはこだわりません。 しかし、体と頭の境目に段差ぐらいは追加しておきます。

キーボードのテンキーの7を押し、上面図の位置に視点を移動します。 続いて、頂点選択モードボタン(頂点選択モードボタン)で頂点選択モードに切り替えます。

11. 上面図でのメッシュ
11. 上面図でのメッシュ

上図のように頂点選択モードになっていることを確認し、キーボードのCTRL + Rを押します。

12. 細分化中のメッシュ
12. 細分化中のメッシュ

上図のようにループ細分化モードに切り替わりますので、ピンク色の細分化線が頭を横に通るように調整し、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押して細分化位置の決定に進みます(キーボードのEnterキーでも決定できます)。

細分化線がオレンジ色に変わり、キーボードのカーソルキー(↑↓←→)やマウスの移動で細分化線をスライドできる状態になります。 オレンジ色の細分化線をEdge Slideが0.80の位置に移動し、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押して細分化を実行します(キーボードのEnterキーでも実行できます)。

13. 細分化後のメッシュ
13. 細分化後のメッシュ

上図のようにメッシュが細分化され、細分化線が選択状態になっています。 次に、縮小および移動を行って段差を作ります。

まずは縮小を行います。 拡大縮小マニピュレータボタン(拡大縮小マニピュレータボタン)を押して拡大縮小マニピュレータに切り替え、円ハンドル(円ハンドル)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

14. 縮小後のメッシュ
14. 縮小後のメッシュ

上図のように元の大きさの0.9倍に縮小します。

続いて、移動を行います。 移動マニピュレータボタン(移動マニピュレータボタン)を押して移動マニピュレータに切り替え、緑ハンドル(緑ハンドル)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

15. 移動後のメッシュ
15. 移動後のメッシュ

上図のように上面図から見て上方向に0.1だけ移動します。

押し出しで触角を作る

次に先端の面を押し出して触角を作ります。

キーボードのAを押して選択を全解除し、さらに、面選択モードボタン(面選択モードボタン)で面選択モードに切り替えます。

16. 面を選択したメッシュ
16. 面を選択したメッシュ

上図のように先端の面を選択します。

PropertiesウィンドウのModifiersパネルに、さきほど追加したミラーのモディファイアの操作部があります。 その中にあるClippingチェックボックス(Clippingチェックボックス)をオフにして、反射面にある頂点の移動を許可します。

ここでマウスから手を離してください。 キーボードのEを押して、押し出しを開始し、マウスを動かさないままキーボードのEnterキーを押します

17. 押し出し後のメッシュ
17. 押し出し後のメッシュ

上図のように見た目には変化はありませんが、選択中の面が押し出され、選択状態になっています。 つまり、2つの面が同じ位置に重なっており、片方の面のみが選択された状態です。

  
マウスから手を離したのは、誤って移動しないようするためです。 押し出しを実行すると、選択している部分が複製され、さらに移動が可能な状態になります。 その状態でマウスを動かすと押し出した部分が移動してしまいます。 今回は『ゼロ押し出し』を行うため、マウスを動かさずキーボードのEnterキーで移動を確定しました。
  
『ゼロ押し出し』とは移動量がゼロの押し出しのことです。
  
Clippingチェックボックス(Clippingチェックボックス)をオフにしたのは反射面にある頂点も押し出すためです。

続いて、押し出した面を縮小します。 今回は、法線座標系での作業となりますので、3D Viewウィンドウの座標系選択リスト(座標系選択リスト)のNormalを選択します。

18. 3D Viewウィンドウの座標系選択リストのNormalを選択
18. 3D Viewウィンドウの座標系選択リストのNormalを選択

上図のように3D Viewウィンドウの座標系選択リストのNormalを選択します。

  
法線とはメッシュの面から垂直に伸びている仮想的な線です。
  
選択中の面の傾きに沿って操作できるよう法線座標系を選択しました。

拡大縮小マニピュレータボタン(拡大縮小マニピュレータボタン)を押して拡大縮小マニピュレータに切り替え、円ハンドル(円ハンドル)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

19. 縮小後のメッシュ
19. 縮小後のメッシュ

上図のように元の大きさの0.1倍に縮小します。

続いて、縮小した面を法線の外方向に移動します。 移動マニピュレータボタン(移動マニピュレータボタン)を押して移動マニピュレータに切り替え、緑ハンドル(緑ハンドル)をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

  
マニピュレータのハンドルの方向が異なる場合は、適切に読み替えて作業を行ってください(法線座標系での作業では、ハンドルの方向が本ウェブサイトとは異なる場合があります)。
20. 移動後のメッシュ
20. 移動後のメッシュ

上図のように法線の外方向に0.7だけ移動します。

  
法線座標系を選択していることで、元の面に沿って移動させることができました。

触角を形作るため、さらに押し出しを行います。 キーボードのEを押し、押し出しを開始します。

21. 押し出し後のメッシュ
21. 押し出し後のメッシュ

上図のように法線方向に1.0だけ押し出し、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押して確定します(キーボードのEnterキーでも確定できます)。

これで触角ができました。

  

まとめ

押し出し機能を使って、選択中の部位を押し出すことができます。

操作/コマンド 説明
E 選択中の部位を押し出す
 
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