ここまでの加工で、てんとう虫の体にかなり近づけることができました。 次は、体から頭部を形作っていきます。
現在の上面図の視点では、モデリング作業が難しいので少し視点を移動します。 キーボードのテンキーの2を3回押し、視点を上面図から下方向に移動します。

上図のように上面図から下方向に45度視点が移動します。
続いて、面選択モードボタン(
)で面選択モードに切り替えます。

上図のように先端の2つの面を選択します。
前面選択ボタン(
)をオンにすると、他の面で隠れている面は選択できなくなりますので作業しやすいと思います。
現在のてんとう虫の体は、つぶれた半球に近い形状となっていますが、この半球部分は羽根の部位とします。 つまり、頭部がありませんので、体をさらに加工して頭部を作ります。 ここでは押し出しの機能を使います。
押し出しとは、選択している部分を文字通り押し出す機能です。 既存の面を押し出して、新たな領域を作成することができます。
では、選択中の2つの面を押し出します。 キーボードのEを押します。

上図のように紫色の線が表示され、キーボードのカーソルキー(↑↓←→)、もしくはマウスの移動で、押し出した面を移動することができるようになります。 紫色の線は移動できる軸方向を表しており、この軸方向にしか移動できないように限定状態になっています。

上図のように法線方向に1.0だけ押し出し、マウスの左ボタン(
)を押して確定します(キーボードのEnterキーでも確定できます)。
せっかく押し出しを実施しましたが、キーボードのCTRL+Zを押して変更を取り消してください。 なぜ元に戻すかというと、ミラーの反射面の頂点が反射面から離れているからです。 押し出しを行う前に、反射面にある頂点が反射面から離れないようにする必要があります。
PropertiesウィンドウのModifiersパネルに、さきほど追加したミラーのモディファイアの操作部があります。
その中にあるClippingチェックボックス(
)をオンにして、反射面にある頂点の移動を禁止します。

上図のようにModifiersパネルのClippingチェックボックス(
)をオンにします。
では、キーボードのEを押し、再度Region押し出しを実施します。

上図のように法線方向に1.0だけ押し出し、マウスの左ボタン(
)を押して確定します(キーボードのEnterキーでも確定できます)。
Clippingチェックボックス(
)をオンにしたため反射面の頂点は離れていません。
次に、押し出した面の縮小の作業を行います。 大きさを比較しやすいように、キーボードのテンキーの1を押し、正面図の位置に視点を移動します。
次に選択中の面の中心が拡大縮小の中心位置になるよう設定を変更します。
3D Viewウィンドウの中心位置選択リスト(
)のMedian Pointを選択します。
)でMedian Pointが選択されている場合は、選択中の部位の中間の位置が基点となります。

上図のように拡大縮小マニピュレータが選択中の面の中心位置に移動したことを確認し、赤ハンドル(
)をマウスの左ボタン(
)でドラッグします。

上図のように元の大きさの0.5倍に縮小します。
拡大縮小マニピュレータの青ハンドル(
)をマウスの左ボタン(
)でドラッグします。

上図のように元の大きさの0.6倍に縮小します。
さらに、押し出した面を下方向に移動します。 位置を確認しやすいように、キーボードのテンキーの3を押し、側面図(右側)の位置に視点を移動します。
移動マニピュレータボタン(
)を押して移動マニピュレータに切り替え、青ハンドル(
)をマウスの左ボタン(
)でドラッグします。

上図のように下方向に0.6だけ移動します。 なお、キーボードのCTRLキーとSHIFTキーを同時に押すことでグリッドの1/10の単位で移動することができます。
押し出しによって作成した部分は頭部となりますが、現状では体と頭の境目に段差がないため少し不自然です。 この章で制作するてんとう虫は、写実的なものではなくデフォルメした簡素な3DCGを目指しますので、あまり細部にはこだわりません。 しかし、体と頭の境目に段差ぐらいは追加しておきます。
キーボードのテンキーの7を押し、上面図の位置に視点を移動します。
続いて、頂点選択モードボタン(
)で頂点選択モードに切り替えます。

上図のように頂点選択モードになっていることを確認し、キーボードのCTRL+Rを押します。

上図のようにループ細分化モードに切り替わりますので、ピンク色の細分化線が頭を横に通るように調整し、マウスの左ボタン(
)を押して細分化位置の決定に進みます(キーボードのEnterキーでも決定できます)。
細分化線がオレンジ色に変わり、キーボードのカーソルキー(↑↓←→)やマウスの移動で細分化線をスライドできる状態になります。
オレンジ色の細分化線をEdge Slideが0.80の位置に移動し、マウスの左ボタン(
)を押して細分化を実行します(キーボードのEnterキーでも実行できます)。

上図のようにメッシュが細分化され、細分化線が選択状態になっています。 次に、縮小および移動を行って段差を作ります。
まずは縮小を行います。
拡大縮小マニピュレータボタン(
)を押して拡大縮小マニピュレータに切り替え、円ハンドル(
)をマウスの左ボタン(
)でドラッグします。

上図のように元の大きさの0.9倍に縮小します。
続いて、移動を行います。
移動マニピュレータボタン(
)を押して移動マニピュレータに切り替え、緑ハンドル(
)をマウスの左ボタン(
)でドラッグします。

上図のように上面図から見て上方向に0.1だけ移動します。
次に先端の面を押し出して触角を作ります。
キーボードのAを押して選択を全解除し、さらに、面選択モードボタン(
)で面選択モードに切り替えます。

上図のように先端の面を選択します。
PropertiesウィンドウのModifiersパネルに、さきほど追加したミラーのモディファイアの操作部があります。
その中にあるClippingチェックボックス(
)をオフにして、反射面にある頂点の移動を許可します。
ここでマウスから手を離してください。 キーボードのEを押して、押し出しを開始し、マウスを動かさないままキーボードのEnterキーを押します。

上図のように見た目には変化はありませんが、選択中の面が押し出され、選択状態になっています。 つまり、2つの面が同じ位置に重なっており、片方の面のみが選択された状態です。
)をオフにしたのは反射面にある頂点も押し出すためです。
続いて、押し出した面を縮小します。
今回は、法線座標系での作業となりますので、3D Viewウィンドウの座標系選択リスト(
)のNormalを選択します。

上図のように3D Viewウィンドウの座標系選択リストのNormalを選択します。
拡大縮小マニピュレータボタン(
)を押して拡大縮小マニピュレータに切り替え、円ハンドル(
)をマウスの左ボタン(
)でドラッグします。

上図のように元の大きさの0.1倍に縮小します。
続いて、縮小した面を法線の外方向に移動します。
移動マニピュレータボタン(
)を押して移動マニピュレータに切り替え、緑ハンドル(
)をマウスの左ボタン(
)でドラッグします。

上図のように法線の外方向に0.7だけ移動します。
触角を形作るため、さらに押し出しを行います。 キーボードのEを押し、押し出しを開始します。

上図のように法線方向に1.0だけ押し出し、マウスの左ボタン(
)を押して確定します(キーボードのEnterキーでも確定できます)。
これで触角ができました。